強制決済の概要

強制決済

クロスマージンモードの強制決済

無期限および先物の強制決済

強制決済プロセス:

Bybitでは、流動性の低下や相場操縦による強制決済を避けるためにマーク価格を使用しています。 クロスマージンモードでは、利用可能残高がゼロになり、ポジションマージンが維持証拠金レベルまで減少すると、ポジションが強制決済されます。クロスマージンモードでヘッジされたロングまたはショートポジションを保有している場合、ネットロングポジションまたはネットショートポジションのみが強制決済されます。完全にヘッジされたポジションは強制決済されません。 強制決済が発生した場合、Bybitは部分強制決済によって必要な維持証拠金を減らし、完全な強制決済を回避します。強制決済のプロセスは以下のとおりです。


最も低い段階別証拠金レベルを使用している場合:

(統合取引アカウント)ポジションサイズを増加させる可能性のある未決済のデリバティブ注文および現物注文をすべてキャンセル / (デリバティブアカウント)未決済のデリバティブ注文をすべてキャンセル

それでも必要とされる維持証拠金レベルに達しない場合、そのポジションは強制決済エンジンによって 強制決済価格で決済されます。


段階別証拠金レベルが下から二番目以上の場合:

強制決済エンジンは、段階別証拠金レベルを下げることで必要とされる証拠金を引き下げます。

すべてのアクティブな注文をキャンセルします。

保有ポジションの価額と次の段階別証拠金レベルの価額との差額に関して、FOK注文(直ちに全数量が約定しない場合は失効)を発注し、さらなる強制決済を回避します。

それでもポジションが維持証拠金の要件に満たない場合、このポジションは破産価格で強制決済エンジンにより強制決済されます。

強制決済プロセスの詳細は こちらをクリックしてください。


ポジションの強制決済のトリガー条件:

クロスマージンモードまたはポートフォリオマージンモード(通常のデリバティブアカウント、インバースデリバティブアカウント、および統合取引アカウント)を使用している場合、強制決済はポジションごとにトリガーされます。強制決済価格は、必要証拠金率(IMR)、維持証拠金率(MMR)、およびアカウント全体の利用可能残高に基づいて算出されます。マーク価格が強制決済価格に達すると、アカウント全体の強制決済がトリガーされます。

USDCデリバティブアカウント、クロスマージンモードの統合取引アカウント、ポートフォリオマージンモードでは、アカウント全体の基準で強制決済がトリガーされます。必要証拠金率(IMR)と維持証拠金率(MMR)は、アカウント内のすべてのポジションの必要証拠金と維持証拠金に基づいて計算されます。IMRが100%に達すると、証拠金を使用している注文はすべてキャンセルされます。MMRが100%に達すると、強制決済がトリガーされます。

オプションの強制決済

オプションのロングポジションは購入時にすべてのプレミアムを支払っているため強制決済されず、オプションのショートポジションのみが強制決済されます。強制決済エンジンはすべてのポジションをチェックし、リスク率が90%を下回るまで、部分強制決済のためにオプションの適切なポジションを選択します。

分離マージンモードの強制決済

分離マージンモードでは、ポジションマージンが維持証拠金レベルまで減少すると、ポジションが強制決済されます。なお、分離マージンモード下のヘッジポジションモードで同時にロングポジションとショートポジションを保有している場合でも、ロングポジションとショートポジションは独立しているため、市場が極端に変動すると両方のポジションが強制決済される可能性がありますのでご注意ください。

ポジションに対する強制決済: 分離マージンモードを使用する場合、強制決済はポジションごとにトリガーされます。強制決済価格は、各ポジションの必要証拠金率(IMR)と維持証拠金率(MMR)に基づいて算出されます。マーク価格が強制決済価格に達すると、そのポジションの強制決済がトリガーされます。

ポートフォリオマージンモードにおける強制決済

資産を借り入れた場合、維持証拠金率 (MMR) が80%に達すると、借入資産がなくなるまで借入資産が自動返済されます。

借入資産を保有していない場合、維持証拠金率(MMR)が100%に達すると、部分強制決済が開始されます。約定プロセス中、Bybitはアカウント内の各ポジションに基づいて計算し、MMRが90%に達するまで、MMRを最大限に削減できるポジションを減らします。リスクを軽減するためにポジションサイズを大きくするような処置(デルタヘッジなど)は行いませんのでご注意ください。

統合取引アカウントにおける強制決済の詳細については、以下をご覧ください。こちらをクリックしてください。

保険基金

強制決済ポジションを破産価格よりも有利な価格で決済できる場合、残余証拠金はBybitの 保険基金 強制決済ポジションを破産価格よりも有利な価格で決済できない場合、保険基金を使用して損失を補填します。 保険基金が不足している場合、 自動デレバレッジ(ADL)が発動されます。Bybitでは、トレーダーの自動デレバレッジを回避するために保険基金を使用しています。流動性の少ない契約の不必要なADLを回避するために、全てのコインペアのUSDT契約は同一の保険基金を共有しています。

ADLメカニズム

Bybitでは強制決済が発生した際、そのポジションは強制決済エンジンによって処理されます。強制決済されたポジションが破産価格よりも有利な価格で決済することができず、損失を補填するには保険基金が不足している場合、ADLメカニズムが発動し、ADLランキングが一番高い反対売買側ポジションをデレバレッジします。ADLランキングは、実効レバレッジと損益率に基づいて決定されます。

ADLランキング

ポジションを保持した際、ADLランキングがADLインジケーターに表示されます。点灯しているライトの数がADLランキングの優先順位を表しており、20%単位で増減します。 クロスマージンモードでは、ADLがトリガーされた場合、ロングポジションとショートポジションの契約数の差分のみがデレバレッジの対象となります。 分離マージンモードでは、同じ契約のロングポジションとショートポジションは、ADLメカニズムによって個別にデレバレッジされます。

ADLランキングの計算

ADLランキングは、損益率と実効レバレッジによって決定されます。利益率が高く、またレバレッジ倍率が高い場合は、ADLランキングは高くなります。

ADLランキング= P&L割合×有効レバレッジ(P&L率> 0の場合) ADLランキング= P&L割合/有効レバレッジ(P&L率<0の場合) 有効レバレッジ= Abs[(マーク価額/(マーク価額 - 破産価額)] P&L率=(マーク価格-平均参入価格)/(平均参入価格) マーク価格=マーク価格でのポジション価額 破産価額=破産価格でのポジション価額 平均参入価額=平均参入価格でのポジション価額