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    デリバティブ取引の強制決済プロセス(標準アカウント)
    bybit2024-01-24 10:30:36

    標準アカウントでのデリバティブ取引については、インバース契約とUSDT無期限契約がともに対象となっています。これらの契約タイプの決済通貨は異なりますが、強制決済プロセスは同じです。暗号資産のデリバティブ取引における強制決済とは、ポジション全体が自動的に決済され、そのポジションを維持するために投資した資金(必要証拠金)のすべてを失うことを意味します。

     

    必要証拠金の計算はデリバティブ商品によって異なる場合があります。ここでは、標準アカウントでのデリバティブ取引について、強制決済プロセスがどのように機能するかを詳細に説明します。統合取引アカウントでの強制決済プロセスについては、こちらをご参照ください。





    強制決済はどのようにトリガーされるか? 

    標準アカウントにおいては、マーク価格が強制決済価格に達した際に強制決済が行われます。その結果、ポジションは破産価格(証拠金価格レベル0%相当)で清算されます。このことは実質的に、未実現損失によって必要証拠金残高が所定の維持証拠金レベル以下に押し下げられたことを示しています。

     

    USDTを例として、簡単にご説明します。

     

     

     

    関連資料

    強制決済価格(USDT契約)

    強制決済価格(インバース契約)

    破産価格(USDT契約)

    破産価格(インバース契約)

    損切り設定をしたのに、なぜ私のポジションは強制決済されたのですか?

    チャート上では強制決済価格に達していないのに、なぜ私のポジションは、強制決済されたのですか?





    強制決済の比較:標準アカウントにおける分離マージンモードとクロスマージンモード

     

    分離マージンモード

    クロスマージンモード

    ポジションを維持するのに必要な証拠金

    必要証拠金 + 決済手数料

    必要証拠金 + 決済手数料 + 利用可能残高(同一通貨)

    潜在的最大損失額(手数料を除く)

    必要証拠金 + ポジションに追加された追加証拠金

    必要証拠金 + すべての利用可能残高

    ツーウェイモード(ヘッジモード)での強制決済

    分離マージンモードでは、すべてのポジションは互いに独立しているため、ツーウェイポジションモードで同一通貨ペアのロングポジションとショートポジションを同時に保有しても、強制決済につながる可能性があります。

    クロスマージンモードでは、同一通貨ペアのポジションが完全にヘッジされていれば、互いに損益をカバーするため、強制決済は回避できます。ポジションが完全にヘッジされていなければ、強制決済のリスクは残ります。





    標準アカウントにおけるデリバティブ取引の強制決済プロセス

    強制決済に至った場合、Bybitは強制決済をラダー方式で実行することにより、必要維持証拠金を減少させ、ポジション全体の強制決済を回避します。強制決済プロセスは以下のとおりです。



    リスク制限階層がすでに最も低い階層である場合:

    1. 該当する通貨ペアのポジションサイズを増加させるすべてのアクティブ注文をキャンセルします。その結果、クロスマージンモードの場合にはポジションを保護するために余分な証拠金が解放されます。
    2. それでも維持証拠金要件を満たすことができない場合、そのポジションは強制決済エンジンを介して破産価格で清算されます。



    リスク制限階層が階層2以上である場合:

    1. 既存ポジションを保持する一方で、該当する通貨ペアのポジションサイズを増加させるすべてのアクティブ注文をキャンセルし、余分な証拠金を解放します。
    2. システムはまず、リスク制限階層を可能な限り低くしようと試みます。その目的は、ポジションに影響を及ぼすことなく、ポジションに必要な維持証拠金率を引き下げることにあります。
    3. それでもリスク制限階層が最も低いレベルにならない場合、システムは現在のポジション価額と下位証拠金階層の差額について、FOK(全約定できない場合無効)注文を出し、ポジションを部分的に決済します。
    4. 以上の対処を行っても強制決済を避けられない状態の場合(すなわち、必要な維持証拠金レベルを満たせない場合)、ポジションは強制決済エンジンに引き継がれ、破産価格でクローズされます。



    BTCの現在の市場価格が20,000 USDTであると仮定します。田中さんが200 BTCのロングポジションを保有し、同時に1,000,000 USDTのロングの指値注文も行ったとします。

     

    ポジション価額 = 数量 × 価格 = 200 × 20,000 = 4,000,000 USDT 

    リスク制限階層 = 階層3(MMR = 1.5%)



    マーク価格が強制決済価格に達すると、強制決済が実行されます。強制決済のプロセスは以下のようになります。

    1. システムはまず、BTCUSDT契約において1,000,000 USDT相当分のアクティブ注文をキャンセルし、余分な証拠金を解放します。
    2. 次に、システムはリスク制限階層を3から2に引き下げ、ポジションに影響を及ばすことなく、必要維持証拠金率を1.5%から0.5%に低下させます。
    3. システムはポジションを一部決済し、ポジション価額を2,000,000 USDTに引き下げます。これでリスク制限階層1の要件を満たし、必要維持証拠金率を低下させます。

     

    強制決済プロセスは3つのステップで行われます。維持証拠金レベルを満たせる十分な必要証拠金がポジションにあれば、その時点で強制決済プロセスは停止します。

     

    1.  この段階に至ってもなお、ポジションが強制決済プロセスの対象になっている場合、強制決済エンジンに引き継がれて破産価格で決済されます。
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